画質落とさずPDFのファイルサイズを 縮小する5つの方法(Mac)

丸山 沢
September 04, 2023 Preview 9.1K Preview 0
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プレゼン用の資料を作成する時、通常たくさんの画像、図形、図表などを入れる必要があります。それが原因で、作成したPDFファイルはかなり重くなってしまう場合が多いです。

ファイルサイズが大きすぎると、開く時や編集する時にパソコンの反応が遅くなりますし、メールで他人に送付する際にも色々と問題が発生してしまう可能性が高いです。できればその重いPDFを圧縮し、サイズを縮小してから送付するのがベストです。

MacでPDFを圧縮する方法はたくさんあります。Macの標準アプリも、オンラインサイトも、無料ソフトも、有料ソフトもあります。この記事では、これらの方法をまとめて紹介します。また、PDFの容量が減ると、画質も落ちてしまうかが心配な方もいますので、画質落とさずにPDFを圧縮できる専門ソフトも紹介します。

今回PDF圧縮ソフトパーフォマンスをテストする方法

PDFのファイルサイズを縮小する一番の方法を探すため、今回は6種類のPDF圧縮ソフトをテストしていました。ファイルサイズとコンテンツが違っている3つのファイルで各ソフトのパーフォマンスを全面的にテストして、メリットとデメリットを完全解明します。

①ファイル1:543ページの4.6MBのファイルで、テキスト満載、画像なし。

②ファイル2:60ページの3.6MBのファイルで、テキスト・画像両方あり。

③ファイル3:23ページの55.1MBのファイルで、画像満載、テキストなし。

 

【ベスト】画質落とさずにPDFのファイルサイズを縮小

個人情報や社内機密が載っているPDFや、大切なお得意様に送付するプレゼン資料の場合、専門のPDF圧縮ソフトがオススメです。画質落とさずにPDFファイルの容量を減らすことができ、情報漏洩の心配もありません。

Cisdem PDF Compressorは、軽量で使いやすいPDF圧縮ソフトです。Macで簡単に複数のPDFを一括で圧縮できる同時に、画質を落とさずにPDFのファイルサイズを半分以下まで縮小することができます。

MacでCisdem PDF Compressorを使ってPDFを軽くする方法

  1. Cisdem PDF Compressorをダウンロードインストールし、起動します。
    無料ダウンロード word on protected pdf file
  2. PDFファイルをソフトにドラッグ&ドロップします。一気に複数のファイルを追加し、一括圧縮できます。
  3. PDFファイルにパスワード保護がかかっている場合、PDFにロックアイコンが表示されます。ロックアイコンをクリックしてパスワードを入力する必要があります。
  4. PDFファイルの右の設定ボタンを押して、圧縮モードを選択します。
    3つの圧縮モードがあります。ファイルサイズが小さいほど画質もそれなりに落ちますので、画質を落とさずにMacでPDFを軽くしたい場合は、「Large File Size」か、「Medium File Size」モードを選択しましょう。
    あるいは、「Custom」を選択して、圧縮レベルをカスタマイズします。
    設定完了後、「OK」をクリックします。追加したすべてのPDFに同じモードを適用したい場合は、「Apply to all」にチェックを入れてください。
  5. メイン画面に戻り、PDFを選択して、右下の「Compress」を押してMacでPDFを圧縮し始めます。複数のPDFを追加した場合、Command+Aキーですべて選択し、一括圧縮できます。

Cisdem PDF Compressorの圧縮効果を確認

それでは、Cisdem PDF Compressorの圧縮効果を確認しましょう。

①圧縮にかかる時間:

ファイル1:どのモードでも10秒以内で圧縮

ファイル2:どのモードでも10秒以内で圧縮

ファイル3:どのモードでも10秒以内で圧縮

 

②縮小後ファイルサイズ:

ファイル1:

  • 「Large File Size」モード:4.6MB - 3.9MB
  • 「Medium File Size」モード:4.6MB - 3.9MB
  • 「Small File Size」モード:4.6MB - 3.9MB

ファイル2:

  • 「Large File Size」モード:3.6MB - 962.67KB
  • 「Medium File Size」モード:3.6MB - 1.47MB
  • 「Small File Size」モード:3.6MB - 3.31MB

ファイル3:

  • 「Large File Size」モード:55.1MB - 6.03MB
  • 「Medium File Size」モード:55.1MB - 15.2MB
  • 「Small File Size」モード:55.1MB - 40.91MB

 

③圧縮後品質:

  • ファイル1:どれも元品質と変わりが見えませんでした。
  • ファイル2:文字+イラストの場合:文字の品質はもちろんどれも元品質と一緒です。イラストの場合、「Large File Size」モードと「Medium File Size」モードは元品質とあまり変わりがなく、「Small File Size」モードのイラストの画質は劣化しています。
  • ファイル3:グラフの場合:

    画像の場合:「Large File Size」モードと「Medium File Size」モードで圧縮したPDFファイルの画像は、元品質とあまり変わりが見えませんでした。「Small File Size」モードで圧縮したPDFファイルの画像は、ファイルサイズが3分の1以下に縮小できましたが、画質の劣化も目に見えます。

④3モードの圧縮結果比較

3モードの圧縮結果には顕著な差異がありません。

 

【Adobe】MacでAdobeを使ってPDFのファイルサイズを縮小

PDFはAdobeの開発したファイル形式ですので、PDFを扱う際にAdobeのソフトを利用するユーザが多いでしょう。このPDFエディターは非常に優れていて、いろんなPDFに対応でき、MacでPDFを圧縮することもできます。

Adobe ReaderでPDFの容量を減らすことができるか?

Adobeには、多くの人に利用されている無料のAdobe Readerが提供されています。Adobe ReaderでPDFの容量を減らすことができるのかと聞きたい方もいるでしょう。

残念ながら、その答えは「できない」です。Adobe Readerは、PDFファイルの閲覧、ハイライト、注釈追加、印刷、入力と署名などができますが、編集や作成、エクスポート、圧縮などの上級機能を利用したい場合、その有料版、すなわちAdobe Acrobatを購入する必要があります。

では、次でAdobe AcrobatでMacでPDFのファイルサイズを縮小する操作手順を紹介します。

  1. Adobe Acrobat DCで軽くしたいPDFを開きます。
  2. 「Tools」→「Optimize PDF」を開きます。adobe acrobat dc reduce pdf
  3. ツールバーで「Reduce File Size」をクリックします。
  4. 互換性を設定します。
  5. 「OK」をクリックすればAdobeでPDFを軽くすることができます。

Adobe Acrobatの圧縮効果を確認

①圧縮にかかる時間:

ファイル1:どのモードでも30秒以内で圧縮

ファイル2:モードによって、20秒から1分間まで

ファイル3:どのモードでも30秒以内で圧縮

 

②縮小後ファイルサイズ:

ファイル1:

  • 「High Compression」モード:4.6MB - 3.9MB
  • 「Medium Compression」モード:4.6MB - 3.9MB
  • 「Low Compression」モード:4.6MB - 3.9MB

ファイル2:

  • 「High Compression」モード:3.6MB - 1.1MB
  • 「Medium Compression」モード:3.6MB - 2.46MB
  • 「Low Compression」モード:3.6MB - 3.38MB

ファイル3:

  • 「High Compression」モード:55.1MB - 11.9MB
  • 「Medium Compression」モード:55.1MB - 16.38MB
  • 「Low Compression」モード:55.1MB - 17.9MB

 

③圧縮後品質:

  • ファイル1:どれも元品質と変わりが見えませんでした。
  • ファイル2:テクストコンテンツには品質の差がありません。「High Compression」、「Medium Compression」と「Low Compression」で圧縮した画像も元ファイルとほぼ同じです。
  • ファイル3:「High Compression」で圧縮した画像コンテンツは元ファイルとほぼ同じで、「Medium Compression」と「Low Compression」は同じ程度の低品質です。

 

【標準アプリ】Macで無料でPDFのファイルサイズを縮小

Macにはたくさんの標準アプリがあります。そのうち、プレビューとColorsyncユーティリティの2つの標準アプリには、PDFの容量を減らす機能があります。ただし、私がテストしたところ、一部の場合、圧縮後のPDFの画質が落ちたのに、そのサイズは逆に大きくなってしまいました。

#1 Macのプレビューを使って無料でPDFを縮小する

プレビューは、PDFや画像を閲覧し管理するためのMacのフリーソフトです。3つのステップで、プレビューはPDFファイルサイズを大きくしたり小さくしたりできます。

  • ステップ 1. プレビューでPDFを開きます。
  • ステップ 2. 上部のメニューバーで「ファイル」→「書き出す」をクリックし、「Quartzフィルタ」のところで「Reduce File Size」を選択します。
    compress pdf mac preview
  • ステップ 3. ファイル名や保存場所を設定し、「保存」をクリックします。

Previewの圧縮効果を確認

①圧縮にかかる時間:

ファイル1:25秒

ファイル2:13秒

ファイル3:37秒

 

②縮小後ファイルサイズ:

ファイル1:4.6MB - 10.3MB

ファイル2:3.6MB - 3.2MB

ファイル3:55.1MB - 63.6MB

プレビューで必ずしもPDFのサイズを縮小できるわけではありません。画質が劣化したが、そのサイズは逆に大きくなってしまった場合があります。上記のように、元55.1MBのPDFファイルを圧縮したところ、そのファイルサイズは63.6MBになってしまいました。画質はかなり劣化しているのに。

 

③圧縮後品質:

プレビューで圧縮したファイルはサイズが増やしたのに、品質が逆に劣化します。

デメリット:

  • PDF品質が下がること
  • 画像・テキスト・グラフが混じっているファイルに叶わないこと
  • 一括にPDFファイルサイズを圧縮できないこと

 

#2 MacのColorSyncユーティリティを使って無料でPDFを縮小する

MacでPDFのサイズを縮小できるもう一つの標準アプリはColorSyncです。色管理システムであるため、画像に効果を追加したり、色空間を微調整したり、色や明るさなどのを変更したりすることができます。

  • ステップ 1. Finder→アプリケーションフォルダで、ColorSyncユーティリティを見つけて、起動します。
  • ステップ 2. 上部のメニューバーで「ファイル」→「開く」をクリックし、軽くしたいPDFを開きます。
  • ステップ 3. 画面左下の「フィルタ」で、「Reduce File Size」を選択して、「適用」をクリックします。
  • ステップ 4. 「ファイル」→「別名で保存」→「保存」をクリックし、軽くなったPDFを保存します。

ColorSyncはプレビューと同じく、一部のPDFを圧縮する際にその画質をかなり劣化させてしまい、あげくにサイズも大きくなってしまう場合があります。

この2つの方法が役に立たない場合は、一番おすすめのMac用PDF圧縮ソフトPDF Compressorを使ってみてください。

 

【オンライン】オンラインでPDFのサイズを縮小

ほとんどのオンラインPDF圧縮サイトは無料で利用できますので、オンラインサイトを使うのが一番便利でお得な方法です。ですが、重いPDFの場合、アップロードしたりダウンロードしたりするのに時間がかなりかかりますので、ネットの調子が悪いとかなり時間がかかるかもしれません。また、オンラインでPDFを圧縮できると称するサイトがたくさんありますが、広告が多いのにあまり効果がなくサイトも存在しますので、注意が必要です。特に不審のサイトを使う場合、情報漏洩の心配もあります。

#1 I Love PDF

Googleで「PDF圧縮」に関するキーワードを検索する場合、I Love PDFは通常上位に表示されています。その圧縮効果がよく、暗号化されたPDFにも対応できます。

  1. https://www.ilovepdf.com/ja/compress_pdfにアクセスし、PDFファイルをアップロードします。
  2. 圧縮レベルを選択して、「PDF圧縮」をクリックします。
  3. 圧縮完了まで待ちます。圧縮完了後、自動的にダウンロード画面が表示されますので、ファイル名と保存場所を設定してダウンロード開始すればOKです。自動的にダウンロードされない場合は、「圧縮されたPDFのダウンロード」をクリックします。

I Love PDFの圧縮効果を確認

①圧縮にかかる時間:

ファイル1:25秒

ファイル2:13秒

ファイル3:37秒

 

②縮小後ファイルサイズ:

ファイル1:4.6MB - 3.9MB

ファイル2:3.6MB - 1.8MB

ファイル3:55.1MB - 28.7MB

 

③圧縮後品質:

I Love PDFでのファイルサイズの縮小は画像の劣化とともに行います。特に大量の画像コンテンツがあるファイルはかなり低品質になり、使えなくなることもあります。

 

#2 Smallpdf

Smallpdfは結構有名なオンラインサイトです。PDFの圧縮効果が良いですが、圧縮レベルを選択することができなく、文書を開くパスワードのかかっているPDFにも対応できません。

  1. https://smallpdf.com/jp/compress-pdf にアクセスします。
  2. PDFファイルを追加すれば、自動的に圧縮が始まります。
  3. 圧縮完了後、軽くしたPDFをダウンロードします。

Smallpdfの圧縮効果を確認

①圧縮にかかる時間:

ファイル1:もう十分小さいから圧縮できないと提示されます

ファイル2:19秒

ファイル3:59秒

 

②縮小後ファイルサイズ:

ファイル1:縮小できない

ファイル2:3.6MB - 1.5MB

ファイル3:55.1MB - 14.9MB

 

③圧縮後品質:

このオンラインサービスは文字ファイルの縮小をサポートできなく、出力ファイルの品質もただやや使えるだけで、画像がぼやける場合さえあります。

 

#3 PDFCompressor

PDFCompressorも、圧縮速度が速く、圧縮効果も良いオンラインサイトの一つです。ただし、Smallpdfと同じく文書を開くパスワードのかかっているPDFに対応できませんのでご注意ください。

PDFCompressorでPDFのファイルサイズを縮小する操作手順

  1. https://pdfcompressor.com/ja/にアクセスします。
  2. 一つまたは複数のPDFファイルをドラッグ&ドロップで追加します。圧縮が自動的に始まります。
  3. 圧縮完了後、どれだけ圧縮されたか表示されます。「ダウンロード」または「全てダウンロード」をクリックして軽くなったPDFファイルをダウンロードします。
    pdfcompressor

 

#4 Adobe

AdobeにもオンラインのPDF圧縮サービスを提供しています。最も信頼性のあるサイトと言えて、オンラインサイトとして最初に紹介すべきかと思われますがが、残念ながら私がテストしたところ、その圧縮にかかる時間がかなり長いです。他のサイトを使えば1分以内に圧縮できるのに、Adobeだと5分以上もかかり、あげくに「エラーが発生したため、PDFの処理が停止されました」の警告が表示され、圧縮が失敗してしまいます。

また、文書を開くパスワードのかかっているPDFだけではなく、権限パスワードのあるファイルにも対応できません。暗号化を解除してから圧縮する必要があります。

  1. https://www.adobe.com/jp/acrobat/online/compress-pdf.htmlにアクセスします。
  2. PDFをアップロードし、圧縮レベルを選択して、「圧縮」ボタンでPDFのサイズを縮小し始めます。
  3. 圧縮完了まで待ち、軽くなったPDFをダウンロードします。
  4. 圧縮が失敗した場合、警告が表示されます。暗号化されたファイルを追加した場合も、警告が表示され、圧縮失敗してしまいます。

 

【おまけ】MacでコマンドラインでPDFのサイズを縮小

コマンドラインでPDFを圧縮することもできます。Ghostscriptは、PostScriptやPortable Document Format (PDF) などアドビのページ記述言語用のインタプリタで、コマンドラインに詳しい方ならばそれを使ってPDFの容量を減らすことができます。

  1. MacでbrewでGhostscriptをインストールします:
    brew install ghostscript
  2. そしてこちらのコマンドラインでPDFのサイズを縮小します。
    ghostscript -sDEVICE=pdfwrite -dPDFSETTINGS=/ebook -dNOPAUSE -dQUIET -dBATCH -sOutputFile="output.pdf" input.pdf
  3. 注意:「input.pdf」を元のPDF名に、「output.pdf」を出力するファイルパスに変更してください。
  4. これでPDFのファイルサイズを縮小できます。上図で示すように、10MのPDFを631Kに縮小できました。

 

MacでPDFのファイルサイズを縮小するTips

ソフトやオンラインサイトを使ってPDFを圧縮したくない方には、PDFを小さくするTipsを紹介したいと思います。

  1. 画像を小さくする:PDFが重いのは通常、PDFに含まれている画像が大きいからです。よって、PDFを作成する際は、画像の形式をJPGにした方がいいかもしれません。
  2. いらないページや画像を削除する:直接いらないページ、画像、マルチメディアオブジェクトなどを削除するのもいい方法です。
  3. PDFを他の形式に変換する:画像のPDFファイルや、スキャンしたPDFの場合、この方法は役に立ちます。私がPDFをWordなどの形式に変換すると、確かにファイルサイズが小さくなりました。

 

おわりに

たまにしかPDFを圧縮しない場合は、Macの標準アプリや、無料で利用できるオンラインサイトを使えば十分だと思います。よくPDFを扱う必要がある、または個人情報の入ったPDF、会社の資料などを圧縮する場合は、専門ソフトを利用するのがオススメです。コストが高くてもかまわない場合は、Adobe Acrobatを使うのが一番ですが、もっと効率的にMacでPDFを縮小し、便利でお得なソフトが欲しい方には、Cisdem PDF Compressorがおすすめです。

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丸山 沢
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1985年生まれ。東京都出身。12年間、1日12時間以上パソコンと向き合う仕事をしてます。パソコンの設定、操作とソフトウェアの利用についてたくさんの経験を積みましたので、それを活かして皆さんの役に立ちたいです。

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